秘密戦隊とホームレス宇宙人
「バカッ!」


「言うなって言っただろ…!」

涼平が二人に罵倒されている。
なんだ?
どうしたんだ?


「…言ったらまた逃げるかもしれないでしょ!」

逃げる?
鈴木は逃げたのか?


「…ったく!危険じゃないだろうが」

ハカセも動揺している。
俺は訊いてみた。


「どうしたんですか?危険な計画って?」


「い、いや、楽しいサークルの間違いじゃないかな?」

ハカセが苦笑いで答える。
絶対に違うぞ。


「な、涼平!言い間違いだよな?」


「…はい。筋肉計画って言いたかったんです」


「そうそう。マッスルー!」と、桃子さんが笑いながら言った。


桃子さんも涼平も筋肉質だけど、それとは違う。絶対に何かを隠している。


「ちょっと!いい加減にしてください!本当の事を教えてください」

三人は顔を見合わせた後、

「……しょうがないね」
と言って、頷いた。


ハカセが遠くを見つめながら話す。


「―いずれは話さなきゃならんことだった。
実はな…俺はガウベルトを5本、地球に持ってきた。別の惑星で作られたものだからな」


「別の惑星?」

地球じゃないのかよ!?


「ああ。地球にそっくりの惑星だ。だから、俺も宇宙人だが、地球人と見分けがつかないだろう?」


宇宙人なのかよ!
もう、何が何だかわからなくなってきた。


「…はい」
とりあえず返事をしておこう。


「そもそも、何故地球に持ってきたかというと、私のいた惑星は、悪い宇宙人が紛れていて、このベルトの秘密がそいつらにバレてしまった。そして、奴らがこれを奪おうとしたんだ。
ベルトは使い方によっては、平和にも、悪行にも使えるからだ。
従兄弟と私は、なんとか守ろうと、安全な国に、持って行こうと思った。そして、この“地球”にたどり着いた」
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