秘密戦隊とホームレス宇宙人
「確かに…。だが強力すれば、勝てる」

ハカセは不敵な笑みを浮かべてそう言った。


「どこにそんな根拠が…?」

俺の問いに、桃子さんが答える。


「佐々木君が、あたしと接触したの偶然だと思ってる?」


「え?偶然でしょ?桃子さんのベルトのバックルに俺のベルトの磁石が反応したんじゃ?」


「違うの。あの時、あたしはガウベルトしか着けてなかったの」


「え…?」


「ベルトを持っている人間同士は共鳴しあって、集まるんでしたっけ?」
と、涼平が言った。


「そうだ。引力によって自然に集まる。やがて、パープルを着けた悪者だって我々の近くに引き寄せられて来る。来たところで、佐々木君の磁力でガウベルトを奪えばいいって事さ」

ハカセが自信満々にそう言ったが、俺には正直、無理な気がしてならない。それに…。


「金属しか引っ張れないんじゃ…?」


俺の問いに、ハカセは首を横に振った。

「黒のガウベルトは、修行を積めば、他の物質も引っ張れるようになるんだ」


そうは言われても…。

「自信ないっす」


きっぱりと言ってやった。
だって、相手は宇宙人なんだろ。怖くて仕方がない。

ハカセがみんなをまとめようとする。

「わかった。まずはベルトの引力でレッドを捕まえよう。佐々木君だって捕まえられたんだから」

俺って捕まったんだな。

キャッチに捕まって…今度は変な集団にも。


「レッド鈴木を捕まえて、強力し合おう!」

ハカセはそう言うが、逃げたい。今すぐここから逃げ出したい。
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