秘密戦隊とホームレス宇宙人
「いいかね。念じることで、パワーが使えるのと一緒で、念じることで、ベルトを巻いたもの同士は自然と集まるんだ」


「はぁ」


「だから、手を繋いで、みんなで念じるんだ。さあ、やってみよう」

俺達はハカセの言うとおり、真っ暗の中、一本の蝋燭の周りを三角形になって手を繋ぎ、念じた。


こんなんで来るのか?


「もっとだ。もっと念じなきゃ、レッドは帰って来んぞ!念じろ。強く念じろ!」


ハカセの言うとおりにやるが、こんなんで来るとは思えない。というか、本当にカルト教団みたいになってきたぞ。

霊や、宇宙人を呼ぶのは、こんな感じじゃないのか?
宇宙人は近くにいるけど…。


「もっとだ!レッド鈴木ー!と叫ぶんだ!」

「はいっ!」

いい返事をしたのは桃子さん。
なんでそんなにやる気なんだろう。

ハカセの言うとおり、声を出してやってみる。


「レッド鈴木ーー!」


「レッド鈴木ーーー!」

「鈴木さーーん!」


「念じれば、奴は私達の前に現れるはずだ。奴は電磁波を操れる。蝋燭の火が消え…光の速度でここに現れるかもしれん」


しばらく念じたが、特に何の変化もなかった。そこに、玄関のチャイムが鳴った。


―ピンポーン。


「あ、ピザ屋が来たかも」
と、桃子さんが言った。


桃子さんは今日の料理当番なのだが、噂によると、手抜きが多いらしい。
お金に物を言わせて、出前やピザを取るということだ。


料理が苦手なのだろう。
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