秘密戦隊とホームレス宇宙人

玄関に向かった桃子さんが、こっちに向かって叫んだ。


「―ちょっと!こっちに来て!」

どうしたんだろう?

俺達3人は急いで玄関に向かった。


「レッド!」

玄関の外にに立っている男性を見て、ハカセがそう言った。

こ、これが…。


「レッド!?」


「あ、どーも~。あれ、新しい仲間?」


「さ、佐々木です。初めまして」


「ササキ・クロザイルって言うのよ」

桃子さん…。それは、言わなくても…。


「クロザイル?何それ?ウケる」

ほら、笑われた。


「クロザイルさん。俺、レッドローリングスターの鈴木大祐っす。よろしくッス~」

なんてチャラい奴なんだ。噂どおりだ。


レッド鈴木の体はこんがりと焼けていて、茶髪の前髪と襟足はすごく長いが、てっぺんはツンツンしている。ウルフという髪型だろう。
服装はシャツに細身のパンツにブーツ。

いわゆるギャル男というやつだ。


「なんで…急に戻って来たの?」

桃子さんがそう訊いた。


「あ~。なんか、戻って来なきゃヤバイ気がして。俺がいなくなって、みんなうつ病になっちゃってんじゃねーかなって心配になって…」


「清々しとったわ!」
と、ハカセが怒鳴った。


「いや、俺は大ちゃんが戻ってきてくれて嬉しいっすよ」

涼平は喜んでいた。


「涼ちゃ~ん。サンキュー」
と、鈴木は涼平と抱き合う。なんだか涼平と仲が良さそうだ。
それにちょっと嫉妬している自分がいた。

< 59 / 167 >

この作品をシェア

pagetop