秘密戦隊とホームレス宇宙人
両肩に手をかけられた。


「まあまあ待って、わかったよ。

…7万でいい。

アンタにだけだからさ…。ナイショにしといてくれよ。上の人らに殺されちゃうから」

オッサンはそう言いながら、自分の頬を人差し指でさする。

頬に……傷?

上の人はヤクザ……ってことか?


買わなきゃ痛い目見るよ。俺もアンタも…って言いたいのか?

こ、これは脅迫だ!

そんな怖いこと言ったら逃げづらくなるじゃないか!

ただでさえ逃げづらい密室なのに…。


でも、痛い思いをするなら…7万ならいいかな…と、少し思ってしまった自分の意志の弱さも痛い。


「7万だと分割できないからね…ATMに行こうか?隣にコンビニあるし」

七色の虹のようなスーツを着た男は、笑顔でそう言った。



俺の心の中はどしゃ降りで、雷が鳴っていた。
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