秘密戦隊とホームレス宇宙人
その日の昼、俺はアジトのダイニングで、みんなにその事を話した。


「なるほど。その彼が、ガウベルトという名前を知っていて、奪って逃げようとした?」

「そうです」


俺はハカセの言葉に頷く。


「…知っている訳がないんだ。私達と敵以外は」

「…?」

ハカセの言葉に、涼平も桃子さんも注目する。


「私達と敵のパープル以外は知るわけがないんだよ。それが、その磯貝君が知っていた…。ということは、情報が漏れたか、あるいは洗脳されている可能性がある」


「洗脳…?」

磯貝が…洗脳された?


「洗脳って敵の…?」
と、桃子さんが身を乗り出すと、ハカセは軽く頷いて、こう言った。


「…そう考えるのが一番かもな。磯貝君とパープルが接触して、洗脳された。そして、ベルトを奪うように指示を与えられた…」

ハカセのその言葉を聞いて、俺の頭の中はどんどん整理されていった。

それなら…つじつまが合う。


「思っていたより、キミの近くに敵はいるかもしれん」


俺の近くに…パープル…。


「…コンビニの店員の中にいるかもしれないっすね」

涼平、なんてことを言うんだ。
美沙ちゃんが敵の訳はない。内藤も…女子高生だから、違うと思う。店長は……ん?昨日磯貝と話していた。少し怪しい。

考えていると、ハカセが俺に訊いてきた。


「磯貝君に、何か接触はなかったか?」

「……いや」

確証はない。店長が敵だという確証は。


「何か事件に巻き込まれたとか?怪しい人物に会ったとか?」


事件…?事件はあった!


「コンビニ強盗がありました!」


「何?」
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