秘密戦隊とホームレス宇宙人
俺は3人に、コンビニ強盗の事件のことを全て話した。

すると、真っ先にハカセに怒鳴られた。


「―なぜ黙ってたー!?」

「い、いや、言うほどのことじゃないかなって…」


「チカラを使ったんだろうが!他の人間にも見られてる!オマケに…防犯ビデオはテレビに…」
「ハカセ、落ち着いて!」

桃子さんと涼平がハカセを押さえる。


「ごめんなさい…。まさかそんなにマズい事だとは思ってなくて…」

俺は土下座をして、謝った。


「…ったく。何かあったら……話すのが仲間ってもんだろう!」


「ハカセ…」


「ハカセの言うとおり。話さなきゃダメだよ」


桃子さん…。


「小さなことでも話す、それが家族ってもんだろ?」


ハカセ…。
そうか。ハカセにとってこの惑星での家族は、俺達だけだもんな。

ハカセは大きく深呼吸をした後、事件の推理を始めた。


「話を戻すと、クロザイルが能力を使って見られたのは、3人。強盗犯、キャバ嬢、そして磯貝。他に客はいなかった。そうだな?」

「はい」


「防犯ビデオにはどれぐらい映ってたんだ?」


「俺も見てないんで、わかんないんですけど…俺の体は全く映ってなくて、物が飛ぶのだけ映ってたらしいです」


「なるほど…。お前の能力を知って、ベルトを奪い返さなきゃマズイと思ったパープルは、身近な磯貝を洗脳した。それをテレビで知ったのか…。そこに居合わせた強盗犯かキャバ嬢が犯人か…」


「でも、そのビデオにどれぐらい映ってたかわからないけど、相当勘が良くないとテレビのニュースじゃわかんないんじゃない?」
と、桃子さんが言った。


「そうだな。私も強盗犯かキャバ嬢が怪しいと思ってる」

そのハカセの言葉に、俺は反応した。


「…え?……でも」


強盗が敵の可能性はあるけれど、キャバ嬢はない。


「…キャバ嬢は違います」

俺ははっきりと言った。

彼女は、いい人だ。彼女がパープルのわけがない。
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