秘密戦隊とホームレス宇宙人
「タクシーなら早いけどな…」
金がない俺は、歩いて向かう。
歩道を歩いていると、急に体が勝手に道路の方向へと引っ張られた。
「うわっ!うわうわうわ!」
そして、道の脇に路駐していたタクシーの後部左側のドアの辺りに、ピタッとくっついた。
正確に言えば、ベルトの磁石が強力で、車に吸い寄せられたんだ。
ピッタリとくっついた俺は、なんとか剥がそうともがくが、全く取れない。
どんだけ強力な磁石なんだよ…!
「もう、どんだけー!」
言うてる場合じゃない。
携帯をポケットから出して、電話帳を開く。
家族に電話して助けに来て貰おうと考えたが、このベルトのことを訊かれて、騙されて買ったとかいう話はしたくない。
俺の中で留めておきたい問題だ。
タクシーはハザードランプを点滅させている。
ということは、もうすぐ帰ってくるだろう。
タクシーの運ちゃんに、手を引っ張って取ってもらおう。
―と、思っていた矢先に、運転手が帰ってきた。
「あんだ?人の車さ寄っかかって」
傍から見たら寄りかかってるのかもしれないが、俺は動けないんだ。
「すいません!動けなくなっちゃったんです」
「…はぁ?寄っかかって携帯いじってんじゃねぇよ」
運ちゃんから見れば、寄りかかって携帯いじってるフザけた若者にしか見えないのはわかる。でも、動けないんだ。
「…お願いします。引っ張ってくだ…」
「どけ!さぁどけ!おらぁ仕事で忙しいだよ!」
発音が訛っている運ちゃんは、そう言って運転席に入ってしまった。
「ちょっと待っ…て」
動けないなんて、信じないよな。
金がない俺は、歩いて向かう。
歩道を歩いていると、急に体が勝手に道路の方向へと引っ張られた。
「うわっ!うわうわうわ!」
そして、道の脇に路駐していたタクシーの後部左側のドアの辺りに、ピタッとくっついた。
正確に言えば、ベルトの磁石が強力で、車に吸い寄せられたんだ。
ピッタリとくっついた俺は、なんとか剥がそうともがくが、全く取れない。
どんだけ強力な磁石なんだよ…!
「もう、どんだけー!」
言うてる場合じゃない。
携帯をポケットから出して、電話帳を開く。
家族に電話して助けに来て貰おうと考えたが、このベルトのことを訊かれて、騙されて買ったとかいう話はしたくない。
俺の中で留めておきたい問題だ。
タクシーはハザードランプを点滅させている。
ということは、もうすぐ帰ってくるだろう。
タクシーの運ちゃんに、手を引っ張って取ってもらおう。
―と、思っていた矢先に、運転手が帰ってきた。
「あんだ?人の車さ寄っかかって」
傍から見たら寄りかかってるのかもしれないが、俺は動けないんだ。
「すいません!動けなくなっちゃったんです」
「…はぁ?寄っかかって携帯いじってんじゃねぇよ」
運ちゃんから見れば、寄りかかって携帯いじってるフザけた若者にしか見えないのはわかる。でも、動けないんだ。
「…お願いします。引っ張ってくだ…」
「どけ!さぁどけ!おらぁ仕事で忙しいだよ!」
発音が訛っている運ちゃんは、そう言って運転席に入ってしまった。
「ちょっと待っ…て」
動けないなんて、信じないよな。