秘密戦隊とホームレス宇宙人
「クロザイル…見せてあげなさい」
と、ハカセが言った。

しょうがねぇな…。確かに見せた方が説明が早い。


「じゃ、じゃあやるけどさ…そんなに凄くないからね」

俺は立ち上がりベルトをはめると、念じた。すると、テーブルの上にあったショートケーキの横の小さなフォークがゆらゆらと浮き、俺の腰にくっついた。


「……」


その場になんとも言えない空気が流れ、外から小鳥のさえずりが聞こえた。


「す…すごいね！スプーンがくっついた…」

内藤が目線をそらしながら言った。思ったより地味で、がっかりしてるんだろ？空気でわかるぞ。

ほら、磯貝がスーパーマンとか言ってハードルを上げるから、こんな空気になったんだ。

磁石マンで良かったんだよ…。

空気を換えるように、磯貝が真剣な顔をしてこう言った。


「…で、この能力と俺が洗脳された関係は？」


「このベルトの能力は磁石だけど、また別の…人を洗脳出来るベルトがあるんだ」
と、俺が言うと、洗脳という言葉に内藤が反応し、磯貝を見る。


「その超能力ベルトはこちらのハカセの従兄弟が発明したらしい。本当は平和のために作られたんだけど、悪い奴らに奪われたんだ。その敵が、お前を洗脳して、俺からベルトを奪おうとしたんだと思う」


「そんな……マンガみたいな話ってあるの？」

内藤がそう言ったところに、磯貝が答える。


「ある…。俺はパープル色の…ベルトを見てから自分がおかしくなった」


「磯貝…！思い出したのか？」

磯貝の言葉に俺が食いつき、ハカセ、涼平、桃子さんも磯貝に注目した。


「ああ。…全て思い出した。もう洗脳されてないから安心して欲しい」

俺はハカセを見ると、ハカセは何も言わずに頷いた。


「で、どういう状況で洗脳されたんだ？」

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