秘密戦隊とホームレス宇宙人
第9話 キャバレンジャー
二人が帰ってからもガウレンジャー本部、世間で言うリビングではさらに会議が続けられた。
「パープルって…大人しく警察に捕まってるんですかね?」
と、涼平が言った。
「そうだといいけど…」
桃子さんも心配そうだ。
「自ら捕まったというのが納得できない…」
そう言って頭を抱えたハカセを見て、俺は一つのことが頭に浮かんだ。
「あ…」
「どうしたの?」
桃子さんが訊いてくる。
「パープルが捕まった後、警察に付いてった人物がいます」
「え?」
俺が言った言葉に、みんなが注目する。
「コンビニで襲われたときに、キャバ嬢がいたって言ったじゃないですか」
「ああ」
「美人さんですよね?」
涼平はそこに食いつく。
俺は頷いてからこう言った。
「彼女は証人で、さらに被害者ということもあって、事件の後に警察に行ったんです。あの人なら…パープルのその後を知っているかもしれない」
「なるほど…。彼女の連絡先を知ってるのか?」
ハカセの問いに、俺は首を横に振った。
「店は?」
「それも…わかんないです」
「名前は?」
「名前は…しおんちゃんと言ってました。源氏名ですけど…」
「その名前だけじゃなぁ…」
と、肩を落とすハカセに対して、桃子さんはこう食いついてきた。
「待って、シオンって…どんな娘だった?」
「知ってるんですか?」
と、涼平が訊く。
「ウチの店にもいるのよ…詩音ちゃん。特徴は?」
「えーと…髪が金髪に近い茶色で…盛ってました」
「そんなのどこのキャバにもたくさんいるでしょ!もっとわかりやすい特徴は!?」
桃子さんに言われると恐い。まるで番長だ。
「え…えーと。肌が白かったです」
「…」
すごい形相で睨まれた。