秘密戦隊とホームレス宇宙人
「そうなんだ…。よかった。人間不信になってたから…本当によかった」
と、詩音ちゃんは深いため息をついた。



「じゃあ、桃子もそのメンバーなの?秘密戦隊だっけ?」


「あ、アタシも…一応」
と、桃子さんはドギマギしながら答えた。


「そうなんだ。桃子も何か超能力みたいなのあるの?」


「あ、アタシは…事務よ。事務員よ」
と、桃子さんはごまかした。

「……事務?」

詩音ちゃんはキョトンとしている。

俺と涼平は空気を読んだ。
もし、桃子さんの能力がどこかでバレてしまったら、それを知ったホステスがベルトを奪おうとするかもしれない。
金のなるベルトだから。

こっちでも奪い合いになったら余計にややこしい。
それに、桃子さんも働きづらくなるだろう。イカサマだと言われて虐められる可能性だってある。


「事務…だね」「事務ですね」

俺と涼平は話を合わせた。
そして、俺は話を変えるように涼平の腰に話題を振った。


「それより、彼の能力のほうが面白いですよー!彼の腰を見ててください」


「え?何?」


「ジャーン!出ましたー!」

涼平が腰からクリームを出し、俺がそれを手の平で受けて食べる。

クリーム一気食いの技を披露し、その日の夜は更けていった。

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