秘密戦隊とホームレス宇宙人
だるい体をようやく動かして、下のハカセがいるリビングに向かった。

「ハカセ…」

「おう、クロザイルか…」
ハカセは手元で何かを見ているようだった。


「何を見てるんですか?」


「この世界でいう写真だよ」

ハカセが俺に見せてくれたのは、PDAのような、小型の携帯情報端末だった。


「ハカセの惑星のモノですか?」


「ああ…」


薄さは2ミリ程度、手のひらサイズの画面には、立体的な写真が目の前に浮かび上がった。

その薄い端末が浮かび上がらせている映像に、やはり地球の物ではないと感じる。
信じてなかったわけではないが、今の地球にここまでの技術はない。



「…娘だ」

ハカセの言うとおり、そこには小学生ぐらいの女の子が二人写っていたのだが、それよりも気を取られるものがあった。

二人の娘の囲むように、両端にハカセが二人写っていたのだ。


「は…ハカセが二人…?」


「ああ。右のは従兄弟だ。俺とよく似てるんだよ」

似てる。一卵性の双子のようにそっくりだった。


「…てことは、この人がベルトを発明した…?」

俺の問いにハカセは頷いた。


「そうだ。彼が発明した」


「ハカセ…教えて下さい。どうしてハカセの従兄弟はベルトを作ったんですか?平和のためと言ってましたけど、これじゃ悪のためじゃないですか?」

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