秘密戦隊とホームレス宇宙人
俺の問いに、ハカセは自分の惑星であった出来事を話してくれた。


「私の惑星は、ガウデスという名前なんだ。
ガウデス星は悪に支配されていた。悪い奴が惑星のトップになり、ガウデス星の民のほとんどが奴らに洗脳されてしまっていた。

いや、恐怖に脅え、従うしかなかったのだ。

やがて、王が正義だと思う民も出てきた。
ガウデスでは日本で言う税金のようなものが高く、人々は高い税を政府に納め、細々と暮らすのに必死だった。高い税金でガウデス王政の奴らは裕福な暮らしをしていた。しかし、政府に逆らう者は殺されるか、奴隷としての扱われるのもあって、絶対的な王にひれ伏す状況が続いていたんだ。その状況を打破したいと考えたのが、私の従兄弟の発明家だったのだ」


「それで、洗脳できるベルトを…？」


「ああ。王政の洗脳をベルトで変えようと思った。洗脳されてしまった民の自由を戻そうと思ったんだ。それは一か八かだった。いい人間の手に渡れば世界を変えれる。人々の心を取り戻せる。しかし、悪の手に渡ればガウデス全体が洗脳され、世界が終わることはわかっていた。しかし、博士はそれに賭けたんだ。
そして、ガウデスを救うベルトとしてガウベルトと名付けた」


「それで、ガウベルトなんですか…」

そういう意味だったのか。
てっきり、磁力のガウスだと思っていた。


「それで地球に来て名付けたんだ。ガウレンジャーと」


ハカセが言ったその言葉に、子供向けのテレビのヒーローの出来事が、現実に起きているということを思い知らされる。


「で、ガウデス星は…どうなったんですか？」


「救われてないさ。前にも言ったが、ガウベルトには適性がある。使えるのは、およそ１００万人に一人だ。そこで政府にバレないように、私の従兄弟は使える人間を探した。しかし、探しているうちに奴らに見つかってしまったんだ」
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