白薔薇と黒薔薇
先ほど来た黒蘭の部屋へと戻ってくると、安堵の表情を浮かべた黒蘭が立っていた。
「他の貴族から連絡が全く取れないの……援軍は期待できないわ。
とりあえず、白音さんだけでも、白薔薇の宮廷へ返します。
白薔薇の結界はここよりもとても強いものだから……
破られる事はないはず………」
「でもっ、この宮廷だってまずいわ、せめて私がのこっ……「駄目よ。白音は白薔薇の白音でしょう?自分達の事を最優先に考えなさい!
それに、私たちは黒薔薇よ?
誰よりも残酷で強い………
そんな私たちが反乱ごときに怯まないわ!」
強い決意の瞳。
白音と雪子の周りが星のように輝き出した。
「無事を祈っています。白音さん……
また会いましょう。」
何処か寂しそうな黒夜。
何が起こったのかなんてわからない
何故反乱なんか起こったのか
彼らを置いて私は戻っていいのか
いろいろな事を、考えて、
何故か貴方に伝えたくなる。
私の気持ちを………
「はい。必ず無事で!私、黒夜さ……………」
すーっと2人の姿は消えた。
後には黒薔薇のものだけが残った。