白薔薇と黒薔薇




☆それでも彼らは


宮廷を出て行こうとはしない。


それは彼らなりの覚悟。




その強い意志がある



黒い闇にも輝く彼らの心。☆







「革命R………神帝の皆殺し………」

ボソりとつぶやいた。
黒夢の肩はカタカタと震えている

無理もない、今までこんなことなかった。反乱者達は自分を殺しに来ているのだから……




その時ーーーーー!!!!



「黒夢っ!!!!!!!!」




一瞬だった。


その瞬間はまるでスローモーション


俺の瞳に映る鉄の塊


光を放ち俺の目を閉じさせる


凄まじい爆発音とともに炎が舞う









しばらくは誰も動かなかった。










「お母、様………………?」

黒夢の小さな声とともにまた時間が動き出した。

辺りに黒い煙が立ち込める。
さっきまであったはずの窓はなく、ぽっかりと大きな穴が空いていた。


穴の近くに倒れている2つの影


ナヤもナギもその場から一歩も動かない、全く同じ顔をしている。

煙が薄くなり、

どうなっているのか理解し始める。


目の前で爆発が起こり、目の前にいた黒夢が危なくなった。

助けようと手を伸ばして間に合わなかった。



それでーーー?

今どうなったんだーーー?





「お母様………………お母様………………。」

黒夢の微かな声が聞こえる。
ポロポロと涙がこぼれていた


「お母様!!!!」


ようやく理解した。
今倒れているのは自分の母だと、

爆発した時、黒夢をかばったのだ。


黒夢の服はボロボロで、所々に爆発の時の傷から血が流れていた。

腕に抱かれているのは……
母様………


「良かった……………黒夢……無事……ごめん……ね。」


「いやっ、………お母様っ!!いやぁぁぁぁあああ!!!」


段々冷たくなる身体。
悲痛な黒夢の叫びが部屋に響いた



黒薔薇の黒蘭の死ーーー

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