白薔薇と黒薔薇
何処からだろう
声が聞こえてくる。
星空の中で、ふわりと光る。
『白音さん、みんなをお願いね。』
『白音!世界を救って!』
ぁあ、何故そんな声が聞こえてくるの?
わかってる
わかってるのに、
さっきまで笑い合っていた人々の命が消えていく。
こんな辛い事なんてない。
彼らが何をしたというの?
ただ使命を全うし、
ただ精一杯生きようとしただけなのに
黒夢
黒蘭さん
私はどうしたらいいの?
出来る事はあるの?
貴方達のため、世界のため、何が出来る?
ふと、頭をよぎるあの声
☆もう手遅れだとしても………信じて諦めないと誓えますか?☆
そう。
私は白薔薇の一族
たとえどうなろうと、
諦めてはいけない。
常に人々を光へと導く。
それが、我らの使命
みんなの分まで、私は絶対に諦めない。
だからどうか見ていてーーー
ーーーーー
ーーー
ー
降り立ったのは地下。
宮廷の地下
ろうそくの明かりでいっぱいになり辺りはとても明るい。
そこには怪我をしている白薔薇の騎士や兵達。
白い兵服には、血や泥がこびりついている。
彼らは白音を見るとすぐにホッとした表情になった。
けれど白音の表情は暗い
目の前にいる2人を見ているから……
「父様……母様………」
「白音………」
低く枯れてしまった声。