白薔薇と黒薔薇
こうなってしまったのは俺たち王族の所為なのに、
神帝に使命を与えた、初代の王の所為なのに、
無くなったものは、王族のものではなかった。
犠牲にしている。
この世界は、
知らないうちに、
形を残して、中身がなくなってしまっていた。
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あれからどれくらい歩いたのだろう。
下町を歩いて、
今はまた森の中
ここが何処かなんてそんな事もうわからない。
ただ、ただ、貴方を感じる方向へと足を進めていく。
「あ、………なんで?」
ふと、胸元に重みを感じて取り出した。
そこにあったのは、
「魔法伝………」
初代の王が作り出した世界についての本。
アナリバ老師が、この本は別の世界の人によって書かれたものだと言っていた。
無意識に本を開いた。
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……………
…………
……
この別の世界は、この世界と反発しあっていた。
別の世界は壊れ行く運命だったのだ。
それを食い止めようと初代の王はこの世界とは違う方法で時代を切り開こうとした。
科学では無く魔法で、
壊れ行く世界をなんとか食い止めたかったのだ。
やってはならないのは世界の掟
闇と光を分け、神の領域に足を、踏み入れた。
王は言った。
これで一時的には救われるだろう。
けれど、これはやってはならない事
何が起こるか、また壊れ始めるかは
その時に生きているものが選ぶのだ
と………。
世界の扉を開けて光と闇を分け魔の力を使う。
世界最初の魔法
Umpire of God
通常UOGは、神の審判という。
壊れゆく世界のため、初代の王はこの魔法を実行した。
魔法を生み出すための魔法。
白き力と黒き力の源を作り出した魔法。
もしも未来がまたふたたび壊れてしまうのなら、この魔法を使う時がやってくるだろう。
あまり願いたくない未来ーーー。
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「生きているものが、選ぶ………神の審判………」
この魔法は邪悪に染まってしまった彼らを助けられるかもしれない。