白薔薇と黒薔薇
やがて眩しいほどの力がおさまった。
男性と女性は立っていた
が、
先ほどとは違った。
男性の髪は美しい黒髪になり、瞳の色は黒に赤が混じったような色。
女性は髪が銀と金の混じったような色に瞳は男性と同じ色だった。
そう、白薔薇と黒薔薇の者の証。
白き力と黒き力が分かれたということだった。
「身体に魔の力を感じる………
本当に成功したのか。」
マハードは拳を握りしめて、二人を見た。
「白き力の主と黒き力の主よ、世界を導く道しるべ。
魔法が生まれた今、この世界は、新たな道へと進み始めたんだ!」
「この世界は………世界と………」
映像がぼやけ始めた。
また強い光が降り注ぐ。
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「戻ってきたの………?」
気がつけば、来た時と同じ銀色の湖の前に立っていた。
「この場所で魔法ができた………
なら、その逆も出来ると言う訳か……」
白音の手を握る力が強くなった。
黒夜の考えがわかる。
「魔法を無くす……?」
白音の声が震えた。
それは確かに人々が望むことだけど、
本当にそんなことをしてもいいものなのだろうか?
☆邪悪な力が近くまで来ています………☆
ふわりとした声。
いつも、耳にするあの声。
声のする方へと顔をあげる
銀色の湖に浮かぶ一人の少女がたっていた。
銀色の髪に金と黒のメッシュがかかっていて輝く赤い瞳を持つ少女。
すぐにわかった
この少女が先ほど見たぼやけていた少女だと。
☆見て…………☆
手をパチリと鳴らし、霧のようなものに映像が流れ始めた。
『お父さん………?どうしたの?』
映像には恐怖に怯える少年の姿。
下町に暮らしていた少年だ。
隣にはあの少年の妹もいた。
『うるさいっ!黙れっ!神帝……殺す、殺す………全てを………』
恐ろしい目で二人の子供を睨みつけていた。もう人では、ない。
『殺せ………殺せ………』
他の映像では、おそらく革命Rの人々が鉄の塊を貴族の家へと投げ込み襲っていた。
もう、感情も心も無くなっている。
☆この世界はね、壊れそうだった。
無くなってしまうはずだった。
だけど、マハードは、それを否定した。
Umpire of Godを使って……
貴方達は言わば、鍵、なの。
世界の全ての鍵。
マハードは鍵を作り出して扉を開いた、白と黒を分けて間に合った魔法を人々に、世界に与えた。
白と黒の鍵は、二つそろって使える鍵となる。
世界の扉を開けられる。
黒薔薇のものが言うように、
Umpire of Godを使えば、その逆、
つまりは魔法を無くすことも出来るの。
貴方の中にある鍵を一つにして、扉を開ける。
この世界に出てきた魔法の力を封じて、鍵を壊せば、もう魔法は使えない。☆
「でも、この世界は魔法を無くしても大丈夫なの?」
☆わからない………
私はもうここにはいないの
だから貴方達が決めて欲しい。
この世界のため、どうするべきか。☆
そろそろ時間だといって少女の姿が消え始めた。
あとはお願いーーーーと。