白薔薇と黒薔薇
決意と思い
彼女が消えてしまったのと同時に、柔らかな霧も消えてしまった。
ふたたび、邪悪な力を感じた。
もうすでにここまで来ているのだ。
闇に染まり、人を殺め続ける彼らが……
「Umpire of Godは魔力をかなり使うのだろう。
先ほど見た映像にも、あの少女がかなりの魔力を使っていたのが見えた。
まだ魔法がなかった世界であの少女が魔法が使えた事は疑問だけれど………
それよりも俺達二人で使うとなると、俺も白音さんもかなり体力を消耗していて
最悪………」
「死ぬ覚悟ならあるわ!」
言いかけた黒夜に白音は強い口調で話した。
魔力を限界まで使えば命を落とすかもしれない。
それでも、今しか出来ない。
世界を守るためならばーーー
それに、貴方とならーーー。
白音は嬉しそうに笑った。
それを見た黒夜も笑みを浮かべた。
「愛する貴方に従いましょう。」
お互いがお互いの手を優しく握った。
二人の周りがきらきらと輝き始めた。