白薔薇と黒薔薇
「なっ!ひ、姫!そのような………」
顔を真っ赤にして慌てだす。
(だから、カシベルをからかうのは楽しいのよ。)
くすくすと笑う少女。
「それとね、なんども言っているけど私は姫って名前じゃないわ、
白音って名前がちゃんとあるの。」
ビシッと指をさして顔をふくらませる
「白音様、私にとっては姫ですから……
それと私は今から王宮の警護ですので、雪子には会いません。」
赤かった顔をふるふると振り、いつものように冷静な顔になったカシベル。
「なぁんだ、残念。じゃあ私はそろそろいくわね。」
パチリと指を鳴らしたと思えば、
すっと姿が消えた。