白薔薇と黒薔薇
「白音………、優白が、優白が、亡くなりました。」
小刻みに震える右手を左手で押さえて、こらえるように声を出した。
「先ほど……魔法伝達がきました。
北の地で争い事に巻き込まれたそうで…………
庇おうとした純一も怪我をしていて危険な状態です。
白音………」
堪えきれなくなったのか、ポロポロと涙を流す白百合。
「お母様……」
辛くてまた涙がこぼれそうだった。
わかっていたから、優白の命が消えた事、兄弟だから、同じ白の力を持つものだから、
だからこそ泣いてばかりではいけないこともわかっている。
「大丈夫です………私が……
私、が、お兄様の分まで頑張りますから……
頑張りますから……」