白薔薇と黒薔薇
ぐっと手に力を込めて、白百合を見つめる白音。
その瞳はまた真っ赤に光っていた。
その瞳をしっかり見つめる母親の白百合。
(自分よりも白音の方がとても強い白の力を持っているのを知っている。
白音が生まれた時にアナリバ老師に言われた一言。
ーー彼女が運命を決める日が来るーー
生まれながらにして、白薔薇一族の中で最も多く白の力をもつ白音。
私にとっては息子が、白音にとっては兄がなくなった。
辛い現実だけど、白音は必死に小さな身体で受け止めようとしている。)
そっと白音の前に立って
「優白の分まで頑張ろうね………」
優しく抱きしめた。