白薔薇と黒薔薇
その真っ黒な瞳は、本気で言っている目だった。
「ありがとう。雪子は優しいわね、
確かに、ここでくよくよしていてもお兄様の為にはならないもの………
私に出来る事をするわ。」
にっこり微笑んだ
白音の笑顔はいつになく、大人に見えた。
「姫様、白百合様が至急、議会室まで行くようにと。」
すっと現れたのは、雪子と同じ真っ黒な瞳を持つカシベル。
その表情はとても白音を心配そうだった。
「わかったわ、
じゃあね兄様。」
そう言ってカシベルとともに墓地を後にした。