白薔薇と黒薔薇
「五帝………」
神帝の白薔薇一族の下にある一族。
確か、
沢村、立花、麻井、柳川、赤羽
だったはず………
「私は沢村の使いでごさいます。
お会い出来て光栄でごさいます姫
わが主は、仕事が忙しくここに来られておりませんことが残念でごさいます。」
頭を下げて膝をつく。
「五帝の使いの者よ。
忙しいとはどういう意味かしら?」
いくら五帝とはいえど、王直々のパーティーに使いだけなんておかしい話
それに、お母様だって忙しいと。
「それは……反乱、内乱、格差の広がりが大きくなったからでございます。
今までもだんだんと大きくなってはいたのです。
ですが、それが大きくなり過ぎて
だんだん手が付かなくなっているのです。」
顔を見なくたってわかる。
彼は震えているから、今の世界の状況がとても酷い事がわかる。
「王は、少しでも各地方の者たちに協力を要請したいのね。
だから、例のない白薔薇一族まで呼んだ
とてもとても大変な状況だから……」