白薔薇と黒薔薇
真剣な顔をして言う白音に二人とも頷いた。
そのまますたすたと歩いていく白音を見守る。
「いいのですか?
………あ、あの、その一人にされて………」
後ろから小さな声で囁く、沢村一族の使い。
「王の宮廷の結界も素晴らしいものですし、
何より姫はとても強いお方ですから、
私たちがいる方が足手まといになりますよ。」
そういって苦笑いするカシベル。
その隣でクスッと笑う雪子。
「白薔薇の姫には初めてお会いしましたが、とても素晴らしい方ですね。
目を見ただけで分かります。
姫様がとてもすごいお方だと……」
若い男もすっと立ち上がり白音のいた場所を見つめた。
さすが神帝様だといって、
周りはまだまだ賑やかだった。