白薔薇と黒薔薇
運命と出会い
「あ、小鳥さん………」
目の前を見つめながら小さな声で呟いた。
シルバーグレーの小鳥は、一人の黒い影の肩にとまっている。
その影はゆっくりとこちらに歩いてきた
月明かりに照らされた彼の姿
黒真珠のような美しい短い髪
私と同じような中に色を持つ黒い瞳
それはそれは美しい顔
兄の優白だってすごく美人だったが、彼はそれも超えてしまうほど、
ここにいる人全てを虜にするような顔だった。
黒いスーツに腰には刀をさしている。
瞳は輝きのないどこまでも黒い闇のよう
「君は……もしかして手紙の?」
表情は変わらないなにもないような顔
「え、じゃあ貴方は文通をしようといってくれた方?」
ふんわり優しく微笑む。
少し彼の頬が赤くなった