白薔薇と黒薔薇

彼は、白音を見つめる。
その表情は少し心配している様子



「ぇえ、少し……ね。寒さに慣れていなくって……」



苦笑いを浮かべた白音に
彼は指を鳴らした


すると、白音の肩に暖かい物が乗っかた。
桜色の美しいブランケットが白音を暖かく包みこむ。
金色と銀色の髪によく似合うブランケット



「ぁ、綺麗……ありがとう。」



嬉しそうに微笑む。その笑顔は本当に嬉しそうで……
月明かりが照らし庭園が輝く。



「不思議な人ですね………」



そういってクスッと笑った。
先ほどまでの微笑みと違い、何故か彼の本当の心の気がする。キュッとドレスの裾を握り、



「私は、その笑顔好きだよ。」




言ってから気づく、顔が赤くなるのが分かる。

彼の顔が赤く見えるのは白音の顔が真っ赤だからだろうか。



「ぁ、えっと、深い意味…は、ない、の。



あ、そろそろ、行くね、ま、またね。」




そのまま走って庭園を後にした。