白薔薇と黒薔薇
一人庭園に立つ。
まだ彼女の顔が頭から離れない
太陽のように眩しい笑顔に
月のような優しい瞳、
今まで会ってきた人とは全く違う。
文通して、思っていた通りの人だった。
「俺は………何をしているんだ?」
感情なんて捨てた……嫌ないはずだ。
なんで、まだ顔のほてりが無くならない?
「シルグ………」
ボソッと肩に乗る小鳥に声をかけた
彼女がつけた名前
シルバーグレー………
俺の好きな色
黒でも無く、白でもない
「主、予想通り、動きだした……」
背後から気配を感じる。
この気配は知っている、ずっと前から
また現実に連れ戻される。
いつまでも終わることのない永遠に
「反乱グループ、最近多い、主、今日かなり大勢いる。」
片言な声。
真っ黒なフードをかぶるのはとても小さな影。
「それは、今日が王のパーティーだからでしょう?
大変ねぇ、主も。
これだけの金持ちが集まれば、反乱者達は襲いにくるなんて当たり前よねぇ、主。」