白薔薇と黒薔薇
小さな影の隣にはもう一つの小さな影。
可愛いらしい声のくせにいやみったらしいトーンで話す。

木々の間にいた彼らはすっと自分の前に立つ。


月明かりが彼らの瞳を照らす
パープルホワイトの不気味な瞳


「口が悪い、僕、お前嫌いだ。」


真っ黒いフードを外し顔が見えるようになる。
パープルホワイトの瞳に黒い髪顔はとても可愛いらしいのに、無表情


「そんなこと双子の弟に言われたくないわねぇ、ナヤ。

主だってそう思うでしょう?馬鹿も馬鹿だって!
結界が張ってあるから安全と言ったって……

始末するのは私たちよ……
いつもいつも………」


フードを勢いよくとる彼女
その表情は悔しいような悲しいような複雑な表情を浮かべる。
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