白薔薇と黒薔薇

双子だからだろうか、顔がよく似ている。
ツインテールが風で揺れる。



「ナギ、仕方ない、わかっているだろう?これが俺たちの指名だ。」


双子を見ながら冷たい目で腰に刺している剣を触った。


「主………」

「主。」


真っ黒なポンチョを着ている二人も腰に刺している剣を触っているのだろう。


小鳥のシルグは俺の頬をスリスリとしてくる。


俺に感情はやはり要らないものなのだろうか……
ただ、指名さえまっとうすればそれでいいのだ…と、



「ナヤ、ナギ、……どうやら他のもの達も既に戦闘が始まっているようだな。」


自分も真っ黒なポンチョを羽織り、
すっと前に出た。

まるで暖かい彼女。冷たいはずの、ないはずの俺の心があったかくなった。


だけど、駄目だ。
俺にそんな感情必要ない

おのれの心を閉じ込めてでも俺は指名を優先するんだ。



月明かりが彼の瞳を真っ赤に輝かせた。
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