白薔薇と黒薔薇


淡々と告げた黒夢。
とても白音より2つ年下だとは思えない大人に見える。
さらに話しを続ける、


「私も……白音も……同じ姫よ。

私たちは魔力がとても強いわ。
でも、弱い人は強い人の奴隷扱い。

最近はそれがとても酷くなってしまっている。


私は思うの。
こことは別の世界では、白と黒は混ざりあっていて、まるで王の宮廷のような場所が世界のどこにでもあるって、


この世界は白と黒を分け過ぎてしまったんじゃないかなって……


それが酷くなればなるほど魔力がとても強い人が産まれたり、弱い人が産まれたり、

まったく日の当たらない場所が出来たり、日があたり続ける場所出来たり、



不公平だと思ってる、もしも、もしもなんとか出来たら私たちの使命なんていらないんじゃないかって思うの。」


わがままねといって、苦笑いを浮かべる。先ほどまでの冷たい瞳ではなく、壊れてしまうような弱々しく震える黒夢の瞳があった。
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