白薔薇と黒薔薇


あったかいホットココアを飲みながら王の話を聞く。
金色の瞳は切なげに二人のことを見つめる。


「でもね、魔力が出来て、この世界が救われた変わりにやっぱり代償があった。

その根源、白と黒を無理やり分けたために、君達に辛い思いをさせているし……

人々のより貧しい者と裕福な者の差は広がる、

だから魔法を無くせばいいなんて思うけれど、やっぱりそれは簡単に出来る事じゃない。

もうずっとこの世界では、天候や、気温陽の光、人工的におこしてきてしまった。

もしも魔法を無くしたら、またこの世界は自然に従って壊れはじめるかもしれないしね………」



「この世界に魔法が出来た理由……今行っていること……私達で出来ることがあるなら………」

飲み干したコップをテーブルに置き、小さくつぶやく白音。


「私、助けたいわ……ずっとずっと宮廷にいて周りなんて、人々なんて見ていなかった……見なかったから、

こんな酷い状態なのに、ほったらかして……神帝ともあろうものが……

私も白音と同じ気持ちよ。
何が出来るかわからないけど、なんとかしたいわ。」


二人の瞳は強い決心に満ち溢れていた、





< 80 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop