白薔薇と黒薔薇
あったかいホットココアを飲みながら王の話を聞く。
金色の瞳は切なげに二人のことを見つめる。
「でもね、魔力が出来て、この世界が救われた変わりにやっぱり代償があった。
その根源、白と黒を無理やり分けたために、君達に辛い思いをさせているし……
人々のより貧しい者と裕福な者の差は広がる、
だから魔法を無くせばいいなんて思うけれど、やっぱりそれは簡単に出来る事じゃない。
もうずっとこの世界では、天候や、気温陽の光、人工的におこしてきてしまった。
もしも魔法を無くしたら、またこの世界は自然に従って壊れはじめるかもしれないしね………」
「この世界に魔法が出来た理由……今行っていること……私達で出来ることがあるなら………」
飲み干したコップをテーブルに置き、小さくつぶやく白音。
「私、助けたいわ……ずっとずっと宮廷にいて周りなんて、人々なんて見ていなかった……見なかったから、
こんな酷い状態なのに、ほったらかして……神帝ともあろうものが……
私も白音と同じ気持ちよ。
何が出来るかわからないけど、なんとかしたいわ。」
二人の瞳は強い決心に満ち溢れていた、