白薔薇と黒薔薇
「……といっても……何をどうすればいいのかしら?」
暖かな優しい光が降り注ぐ白薔薇の庭園、噴水の隣にあるベンチに腰掛けて深いため息をつく。
ピピィ!パサパサ
「ぁ、……シルグ?」
脚に手紙をくくりつけられたシルバーグレーの羽を持つ小鳥。
「あ、彼からだわ。」
あの時思わず恥ずかしくなってその場から逃げてしまったから、
名前も知らないし、
誰なのかも聞かなかった。
だけど、彼は美しい。最後に笑ったその顔はとても眩しくて、本当に素敵だった。
思い出して、また顔を赤らめる。
「ぇっと………
【この前会えて良かったです。
シルグという名前も、ありがとう。貴方は太陽のような方ですね。】
太陽………」
彼に言われていると思うとなんだか照れてしまう。
【貴方だって素敵です。また会えたら嬉しいです、貴方の名前はなんと言うのですか?】
いつものように、シルグの脚に手紙をくくりつけた。
パサパサと羽を羽ばたかせ空へと消えていった。