白薔薇と黒薔薇
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白薔薇の宮廷。
この世界で1番明るく照らされる場所
裕福な、魔力のたかいもの達が浴びるこの優しい光は、
龍牙達がいた貧しいもの達には届かない。ただ魔力が少ないからといって……
白薔薇の宮廷の大きな広間に、大きな魔法陣。
そこでいったりきたりと落ち着かなさそうにしている。
「姫様、落ち着いて下さい。もうすぐですよ。」
にっこり微笑む雪子。
「白音ったら、ウロウロし過ぎよ。もう……」
白音の隣でクスクスと笑う白百合。
白音が王へ黒夢を白薔薇の宮廷に呼びたいといってから一週間後、
王から許可がでた。
といっても王からの許可は以外なものだった。
《黒夢と会談することを許可するよ、だけどその代わり、黒薔薇の宮廷でだ。》
《白音は黒夢に白薔薇の宮廷に来て欲しかったんだろうけど………
貴族の奴らが白薔薇の宮廷に黒薔薇のものが行くのをやたら反対するんだ。
恐らく怖いんだろうね。
だから悪いけど、白音に行って欲しいんだ…》
そう言われて今から転送するところ。
魔法陣はだんだん明るさを増していく。
「だってわくわくしているもの。黒薔薇の宮廷に行くのが楽しみなんだもの。」
嬉しそうに笑う白音。
同じ姫という立場の黒夢とは何処か似たようなところがあったのだろうか。