白薔薇と黒薔薇
パァァァア!!!
魔法陣が輝き出す。
「もしも私が黒薔薇の宮廷に行って何もなかったら、
黒夢が白薔薇の宮廷に来るのだって許可が降りるはずよ。
行ってきます。」
白百合に一礼して、カシベルに微笑んだ。
「雪子借りていくわね。」
意地悪く微笑む。
魔法陣内に入って顔を赤らめる雪子。
外からクスクス笑う白百合。
照れている顔を見られたくないからか、下を向くカシベル。
すーっと二人の姿は消えた。
星空をかけるような感覚。
暗い中でも輝く転送魔法。
「つ、つい………寒っ!!」
ぱっっ!
魔法陣に着地したところで思わずしゃがみ込む。
「馬鹿ね、寒いに決まっているわ。貴方は慣れていないでしょう?」
白音の前に立つのは、紫のドレスを着た黒夢。
薄手のドレスにもかかわらず、全く寒さを感じさせない立ち姿。
白音はガタガタと震えている。