白薔薇と黒薔薇
「お母様、黒夢です。白薔薇の白音が来てくださいました。
入りますね。」
トントンとドアをノックして、イザベがドアを開けた。
ぎぃぃぃい
ドアが床とこすれる音がする。
「白薔薇の姫。ようこそ我が宮廷におこしくださいましたね。」
闇の中に輝く黒のような赤き瞳
星空のように輝くロングドレス、
それはそれは美しい女性が立っていた、白百合を可愛いというなら、彼女は綺麗というべきだ。
切れ目にすっとした鼻
「はじめまして、白音……さん?私の名前は黒薔薇の長、黒蘭(こくらん)
貴方の事はこの前、黒夢から聞きました。
私は白薔薇の宮廷へも、この宮廷からも出たことがありません
このような事もはじめてです。
今日は楽しんでいって頂戴ね」
うっすら上品に微笑んだ。
その表情は思っていたものと違い、とても優しい表情。
白百合に少し似ていた。
「こちらこそ、はじめまして黒蘭さん。
今日は私の提案を受けて頂いて感謝しています。ありがとうございます。
一緒に……一緒にこの世界のため、頑張りましょう。」
にっこりと、白音も微笑んだ。
「驚いた?お母様はもっと怖い方だと思っていたでしょう?」