君が見た秋の空

-----とある下校時間------



「前の学校に帰れ~」


「お前なんか死ね!



そんな罵声を浴びる。



そして、暴力をふられ、次第に冷静でいられなくなった義之の心の中に浮かんでくる疑問の声。



「俺が何をした?」


「そんなにキモイ事が悪いのか?」



最初の頃にあった女子への怒りは、いつの間にかどこかへ吹っ飛んでいた。



義之には、


「何故?」


という疑問と、


「何時になったら安らぎの時が来るのか・・・。」



そんな思いが、グルグルと頭の中でまわっていた。



時には、


「死にたい・・・」


と、思い詰める。



義之は考えた。


どうしたらイジメが無くなるのか?



------辿り着いた答えは------
反発するから叩かれる・・・。



義之が出した結論だった。



義之は、女子が自分から遠ざかる行為を受け入れ、率先して自分から近づかないようにしていく。



自分が、周りに受けいれられないキモイ男だと自覚し生活するようになった。



見た目にコンプレックスを持ち、内向的になった義之に、イジメを行う者達の中には、興ざめしてイジメを止め、中立になる者が増える。
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