君が見た秋の空
暗黒時代の終了
それは、前触れもなく起きた。
-----とある日の午後------
毎日、その日の授業が終わった後に行われる「帰りの会」での出来事だった。
先生若しくは、何かの係りの生徒からの連絡事項で、帰りの会は終わる。
しかし、この日は、何の連絡事項も無く、先生に帰りの挨拶をして終わる流れのはずだった。
「ハイ!先生」
一人の女子生徒が手を挙げる。
そして、静かに喋り始めた。
「最近、このクラスでイジメが行われています」
「もうこんな事はやめにしませんか?」
「あえて名前は言いませんが、みんな分っていると思います」
静かに…
凛とした声が…
クラスに響き渡った。
もうじき帰れる事で、ざわついていた生徒達も静かになり、その女子生徒の言葉に首を下に傾ける。
あまりにも唐突な発言に誰も何も言えないでいた……
それは、担任の先生も同様である。
一番驚いていたのは、義之だった。