君が見た秋の空
----肝試し中盤〜後半----
不意に響子が声をかけてきた。
「義君、全然怖そうじゃないね…」
その一言で我に返る。
すっかり緊張して忘れてたが、義之は怖いもの好きだが、怖がりでもあった。
我に返った途端、急に怖くなってきた。
しかし、普段は男勝りの響子が震えているのを見て平静を装う。
そして、響子をからかい始めた。
「なんだよ~お前(笑)」
「これぐらいで怖いのかよ~。」
何時もだったら反撃に出てくる響子が、大人しく頷くだけだった。
可愛い…おしとやかな響子も良いな…
普段見せない姿に
キュン!
と、する義之。
義之は照れながら言った。
「怖いなら俺の手を握るか、俺の服の袖を掴んで良いぞ。」
そう言い放つと歩き始める。
すると右袖の辺りを響子が掴んできた。