君が見た秋の空
一瞬、武志の顔が曇る。
なにか答えを言うのに躊躇しているように見える…



その様子に義之は、期待も込めて恐る恐る聞く。



「もしかして、好きな子いるの?」



武志は、少し赤面しながら頷いた。



本当なら喜ぶところだが、良い方向を予想してなかった義之は、意外な答えにキョトンとする。



少し静寂が訪れる…



武志の好きな子が気になり始める。


一体誰だ?


今まで、そんな素振りすらなかった…



しかし、聞こうと思った矢先、二人の帰る方向が変わる交差点に差し掛かる。



「じゃ、じゃあねぇ~。」



急に走って去る武志。



あっ!逃げられた!
と、気付くも時既に遅し…



悔しがる義之。



相手は誰か聞けずに終わったが、義之に少し希望が見えきた。



だが、片想いの現状は変わってない…。



武志と響子が両想いだった方が楽になれたのに…



フラれるなら…というのがあった。
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