君が見た秋の空


つまらなそうな顔をする響子。



響子は、少し残念そうな声で


「へぇ~そうなんだぁ~」


と、言った。



その様子を見た義之は、



「やっぱりショートに近いセミロングが一番かな~」


と、少し照れながら一部訂正した。



それは、響子の髪型を指している。




シャイな義之なりのアピールだった。



響子は、少し嬉しそうに


「セミロングか~」


と、言ったところで休み時間が終わる。



義之は、今まで自分と響子が両想いだという妄想は抱かない様にしていた。



響子の好きな人は、武志という根強い噂から始まった勝ち目の薄い恋。



今回の恋は負け戦だ…



だから、都合良い方に捉えると失恋した時のショックがでかくなる。



常に舞い上がらないよう冷静になるよう心に言い聞かせていた。



でも、席が隣同士になってから、響子の言動は、義之に期待させてしまう事があった。


もしかしたら、武志への想いは無くなっている?



噂を聞いてからもう2年も経つし…
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