君が見た秋の空
第4章 命の大切さ

運命の刻

義之が帰宅するなり喋り始める。



「義之、お父さんが、千葉へ転勤が決まったのよ。」



「えっ?・・・」



と、思わず口に出し困惑する義之。




それとは対照的に喜ぶ母がいた。


母は、治療や検査をする環境が整っている千葉への転勤を喜んでいた。



本来なら手術を決心している義之も喜ぶ事なのである。



しかし、千葉へ行くという事は、親しい友達と・・


そして、響子と離れ離れになるので素直に喜べない。



「好きな子がいるからここに残りたい。」



ドラマのワンシーンのような台詞…
なんて言える度胸もなく



「分かった。」


と、力無く言って部屋に入る。




ベットに倒れこむ義之。



なんで良い感じになった矢先に…。
自分の運命を呪う義之。



次の日、響子に引っ越す事を伝えた。



響子は、義之の病気の事もあって喜んでくれていた。



しかし、どこか寂しそうな顔を時折見せていた。
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