君が見た秋の空
響子と友達が校門から入ってきた。


「響子!」


思わず声に出てしまう。



誰かに聞こえてしまったかと周りをキョロキョロする義之。



よし!誰もいない!
と、安堵する義之。

どうやら、二人は今から部活のようだ。



もう会う事が無いと思っていた義之は、驚きと困惑の表情を浮かべる。


3日前まで、告白する気持ちが固まっていた・・・



だが、間が空き心の準備をしてなかったこの状況に、告白するか迷っていた。




校門から体育館に向かう響子と校門に向かう義之の距離は徐々に近づいていく。



考えが纏まらず、ゆっくり歩く義之。
頭フル回転状態で自問自答する。



早くしないと声をかけるタイミングを逃してしまう…

なんて声を掛ける?

隣に邪魔者が居なきゃ良いの…



と、思っているうちに、響子が義之の存在に気付いた。




考えが全く固まってない義之は、思わず目を逸らしてしまった。


ダメだ!告白する決意が出来ない!
そして、すれ違うぐらいの距離になる。



その時、響子から声をかけてきた。
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