君が見た秋の空
4時間が経過し無事手術は成功した。


ちょっと前までは、開頭手術しかなく、何かしらの後遺症が残る病気だったので、カテーテルが開発されて良かったと思う義之。



手術の成功を涙しながら喜んだ。
だが、嬉しい事だけでは終わらなかった。



術後、容体も問題無く退院する日が決まる。そこに、看護婦さんがやってきた。



初めての検査入院からお世話してくれている顔見知りの看護婦さんだ。



そこで、瞬が亡くなったのを知った。



嘘でしょ?



義之は、泣き崩れた。



瞬は、義之と再会出来る事を楽しみにしていたと伝えられる。



義之も同じ思いだった。



義之が手術の為、入院して来た日から瞬の容体は悪かった。その時ならギリギリ会うことが出来た。



しかし、手術を控えている義之の事を考えた看護婦さんが気を利かして、瞬の容体を伝えなかった。



「ごめんなさい。」


泣きながら謝る看護婦…。
責める事など出来ない。



そして、義之の手術するちょっと前に瞬は息を引き取った。



交わった時間は少ないが、義之の中で強く光輝き、色々学ばせてくれた瞬が星になったんだ・・・。



瞬!お前の事は忘れんぞ!
俺の中でお前の魂は生きている!!
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