君が見た秋の空

まさか…?

好きだ!と、言う前に、一言どうしてもお礼が言いたかった。



最後に会った時、お礼を言えなかった事が凄い心残りだった。



お金が貯まった頃、仙台の友人に手紙を出した。



義之が大学生になる頃には、携帯が普及し始めていた。義之も学割を利用して携帯をもっていた。



携帯を持つのが普通になってきたこのご時世に、アナログな手紙によるやり取りに、少し風情を感じている義之。



数回やり取りしているうちに、響子が引越しをしている事を知った。



元々、電話番号も住所も知らなかったので、中学校の卒業アルバムに載っている住所をあてにしていた。



だが、義之が引っ越した1年後に、響子も引っ越していた。



中学1年の時にマイホームを建てたという記憶があっただけに引っ越ししているとは思わずビックリする義之。


そう言えば、あいつの家も転勤族だったな・・・。
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