[短編]彼しかいなかった
次の日。


あたしは彼と会うために彼の働くコンビニの外で待っていた。



彼を待ってる間は彼のことをずっと考えてた。


彼を待ちだして10分後。

彼がコンビニから出て来た。


彼の隣には…


あの女の子はいなかった。


彼は驚いた顔のままで、



久しぶり。


そう言った。


あたしもそうやって返事をして、早速聞いてみた。


先週、一緒にいた子は彼女?


あたしが尋ねると彼は目を見開いた。


やっぱりそうなんだね。


「あんなかわいい子が彼女なんだね。
うん。お似合いだと思うよ」


ニッコリと涙を堪えた笑顔をした。


そして、あたしは言葉を続けた。


「それでも、あたしは…あなたが好き、でした」


最後は泣いていた。
泣きながらの告白。



あたしは自分の気持ちを伝えた後に彼から逃げるように駆け出した。



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