人生終了ゲーム センタクシテクダサイ


そう思っていたのに、持田くんはまだ

一言もしゃべらなかった。


「えみりの事も大事だよ、でも祐介のことも大事なの。

ねぇどうしよう……

私どうしたらいいか分からないよ

選ぶなんて出来ないよ……」


お互いに目に涙をためてそう言う。

選ぶ側の優香ちゃんにだって怖いんだ。

だけど選ぶのをやめてしまえば

待っているのは自分の死。


どっちにしても、怖いのは変わらない。


そんな泣き出しそうな優香ちゃんを見て

持田くんはぼそっと言った。


「優香、俺のこと選んでいいよ」


たぶん、持田くんが黙っていたのは

この言葉を言うための決心をつくるため。


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