偽り彼氏は謎だらけ♡


「春乃君すごぉ~い。一位だったね」


教室に戻ると案の定とりまきの女子が騒いでる。隣の席で女子に囲まれてるのはいつものことだけど…


むぅ…


ちくしょーー!


「おい、ひなこ、雅。」

「あ、ハル君だ。いこ、雅」

「うん。」


きっとハルもひなこも気づいてるんだ。


わたし心配されてる。


そーよ。


こんなことでいちいちめげてちゃだめだ。


うん。


「どうしたの?ハル君からうちらのところに来るなんてめずらしいね!」

「よっ、ひなこ。まぁね。てか、あの春乃ってやつ天才だな。」

「ハルくっ…!」

「私は大丈夫よ。気にしてないから!」


こんなに心配されてるなんて思ってなかった。


「ありがとね、ふたりとも。」

「雅ちゃん…」

「いや、別にお前が心配だったとかじゃないし、感謝されるようなことはしてねぇっつーか…」


なんだこいつ。


頭でもうった?


「もぅハル君も素直じゃないねぇ」

「なんだよ、ひなこのくせに!」

「ひどい!ひなこのくせにってなによ!」


二人がわーわー言い出したとき


「本城さんちょっといいかしら?」


あ、副担任の美里ちゃんだ。


実は知り合いだったり♪


本城 美里。 (ホンジョウ ミサト)


てか、腹違いの姉妹なのです。


学校では姉妹ってことは隠してる。


だから美里ちゃんは旧姓の桃川で通してる。


「はい。なんでしょう?桃川先生。」
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