偽り彼氏は謎だらけ♡


「なんだよそれ、雅あそばれてんじゃねーの?」

「それはないと思う。お互い気があるわけじゃないから。」

「つーか、そこまでやる必要あんの?」

「でも、告白されるのも大変なんだもん。」

「……ただのカモフラージュなら、別に俺でもよかったじゃねーかよ。俺あいつのキラキラした笑顔きらいなんだよ!」


珍しくハルが怒ってる。


でも、なんで?


「ハルくん……。落ち着いて…?」

「ひなこはどー思うんだよ。雅があいつに奪われるんだぞ!?」

「え?…えっ!?……」

「ちょっとハル、さっきからなんでそんなに怒ってるのよ!」

「……っ!」


ハルはそのままどこかに行ってしまった。


「雅ちゃん、教室戻ろう?」


ひなこに悲しそうな顔して言われると、申し訳なくなる。


ひなこは悲しいときやさみしいときに無意識に私のことを『雅ちゃん』って呼ぶ癖がある。


教室に戻ると、一気に女子に囲まれた。


なんですか、いじめでも始まるの!?


「本城さん!本城さん!」

「ななななんですか?」

「ねぇ、春乃君と付き合ってるの?」

「あ、……うん。」

「え、え、え!!!いつから!?」

「昨日からだけど………。」

「うそー!!!どっちから?もうチューとかさた?」


あぁぁぁー!


なんでこんなこといちいちきいてくるの?


鬱陶しいぃぃ~!


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