ふたりのガーディアン
クラスの代表は、来週行われる全校集会で演説をしないといけないらしい。


なんでこんなことにー?いやだよー。


放課後、瀬名君が私の席のそばに来た。


「優月、大丈夫?」


心配そうに声をかけてくれる瀬名君。


「瀬名君、どうしようか」


ホントに困った。


「優月、発表とか苦手だもんな」


「うん。演説もだけど、そもそも役員には向いてない気がするんだよね」


思わず机に顔を伏せてしまう。


「まあ当たり障りのない話して、無難に流しとけよ。そしたらあんまり目立ちもしないし、票も入らないだろ」


「うん…。そうだね」





後日私は、さっちゃんや蒼甫君、瀬名君に協力してもらって、当たり障りのない普通の演説文を考えた。


「これなら無難だよね?」


さっちゃんが演説文を何度も読み返している。


「可もなく不可もなくだよな」


苦笑いする蒼甫君。


「そんなに力説する必要もないし、棒読みでも全然問題ないから、この紙に書いてある通り読めばいいよ」


そう言って瀬名君が励ましてくれる。


「いよいよ明日かぁ」


私は早く明日が過ぎ去るといいなあと思った。

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